7歳の侯爵夫人

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コンスタンスがオレリアンの手を引いてあっちの店、こっちの店と見ていると、街のそこここで
「もうすぐ王太子様のご成婚だなぁ」
「成婚記念のパレード、楽しみだなぁ」
などという声が聞こえてくる。
王都の街は、もうすぐ挙げられる王太子の成婚式祝賀ムードで賑わっているのである。

「そうか…、いよいよフィリップ殿下の成婚式があるのね。盛大な祝賀パレードがあるんでしょう?楽しみね!」
「ああ…。それよりコニー、お腹はすかないか?何か美味しいものでも食べよう」
「うん!」

笑顔で頷いたコンスタンスだったが、その直後に頭を押さえて立ち止まった。
「…んっ…」
「コニー?どうした?」
「オレール…、あたま、いたいの…」
「コニー!」

オレリアンはガバッとコンスタンスを抱き上げると、
「リア!水を!」
と叫びながら道の端に移動する。
そして日陰に入ると、コンスタンスを横抱きにしたまま座り込んだ。
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