7歳の侯爵夫人
王宮を出る日の朝、オレリアンとコンスタンスは国王と王太子から謝罪を受けた。
極少人数で箝口令も敷かれた、極秘の謝罪である。

そこで2人は、王妃が病気療養を理由に王宮を離れ、離宮に向かうことを知らされた。
表立っては罪に問わないが、要するに離宮への軟禁であり、それが王妃への罰である。
コンスタンスを害そうとした罪に対してはかなり甘い処置であるが、国民の母である王妃の罪を国民に知られるわけにはいかない。
申し訳ないがこれで矛を収めて欲しいと国王と王太子に頭を下げられ、元より国が乱れるのを望んでいないコンスタンスは即座に頷いた。

「王妃様には感謝する気持ちもあるのです。
この方と出会わせていただいたのですから」
そう言ってオレリアンを見つめ微笑むコンスタンスに、オレリアンも渋々頷くしかなかった。
そしてそんな寄り添う2人を間近で見せられた王太子もまた、自らの初恋の終わりを思い知ったのである。
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