異世界で先生になりました~ちびっこに癒されているので聖女待遇なんて必要ありませんっ!~
で。

「リーナ、楽しみだね?」

「うん!」

「本当!何が始まるのかしら~?」

「奥様、落ち着いて下さいませ」

「私もワクワクしてきました!」

こうなった。

夕食を終えた後、リーナちゃんの入浴を済ませ、寝室に集まったラピスラズリ家の皆様。

何故かセバスさんとマリアさんまでいる。

先に披露していたマーサさんも苦笑いだ。

因みにリーナちゃんはお母さんのお膝に乗せられて、嬉し恥ずかしな表情をしている。

可愛い。

紙芝居を親子で見るなら、是非この体勢で!と私がゴリ押ししたのだ。

折角なら、親子のスキンシップも楽しんでもらいたい。

「はい、では…はじまりはじまり~」

お話は単純。

いつも一人で遊んでいた女の子が、お友達を作って、一緒に遊んだり、ケンカをしたりしながら絆を育むものだ。

人見知りのリーナちゃんに、人と関わることに興味を持ってもらいたくて、この題材にした。

まあ、白黒だし即席の物なので、現代人には物足りないかもしれない。

でもまあ、お試しだし?

気に入ってもらえそうなら、他の話もしっかり作ってみたい。

「…こうして、女の子は毎日お友達と楽しく過ごしましたとさ。おしまい」

定番の台詞で終えると、はあーっと息をついた後に、皆が大きな拍手を送ってくれた。

「すごいわ!とっても良くできているのね!」

「えっ!?」

「本当!私の子にも見せてあげたいわ!!」

「ええっ!?」

「絵からも女の子たちの気持ちが伝わってくるから、すごく分かりやすいし、何よりリーナがすごく集中して聞いていましたよ。な、面白かったよな、リーナ」

「うん。もういっかいみたい!」

皆さんお上手ですね。

そんなに褒められちゃうと、お世辞に応えちゃいますよ?





それから私は繰り返し三回紙芝居を読んだ。

さすがにリーナちゃんも満足気だ。

因みにお母さんの膝の上にも慣れ、母娘とも嬉しそうだった。

良かった良かった。

と、思っていたら…

「ねえ、おかあさま」

「なあに、リーナ」

「おともだち、ってなに?」

………

そこからかーーー!!?
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