保健室で、君と最後のキス





「いや、無理です!」



「さすがに冗談だよ」



「え、あ…。」




冗談か…。




私の反応を見て、ははっと笑う八神くん。




なんか、この人には振り回されそう…。





「じゃあさ、LINE交換しない?」



「あ、うん」





私はポケットからスマホを取り出し、八神くんのIDを入力した。




ピロンッ





「できたよ」



「ん、ありがと」




男の子とLINEを交換するなんて、日向以外で初めてだ。




少しドキドキする。





「…ま、困ったことがあったら連絡してきなよ」



「うん、ありがとう…」




もしかしたら、これで相談に乗れる人が一人増えたかも…。





「あ、そういえば八神くんって……」




"どうして教室に来ないの?"





そう聞こうと思ったけど、なぜか聞いてはいけないような気がした。





ん?とした表情で私を見てくる八神くん。





「やっぱりなんでもない…」



「あ、そう?」




< 35 / 44 >

この作品をシェア

pagetop