推しの子を産んだらドラマのヒロインみたいに溺愛されています(…が前途多難です)
それからベッドに入ったけれど眠ることができない。私はスマホの検索サイトに雄飛の名前を打ち込んでみる。

この四年、私は雄飛の情報が入らないようにしていた。

テレビでさえも視聴する番組を絞っていたし、もし、雄飛が出演していたら―そう思うとギャオレンジャーでさえ本当はみせたくなかった。

でも、朝飛が保育園でお友達と話が合わないことがかわいそうでしぶしぶみることにした。

けれど幸いそこに雄飛の姿はなかった。ほっとしつつもどこか残念な気持ちになったのを覚えている。

私は雄飛の公式プロフィールから過去の出演作品のページを見る。映画ドラマにコマーシャル、雑誌や写真集に至るまで、ずらりと並んでいた。

「雄飛、こんなに頑張ってたんだね」

 いてもたってもいられなくなった私はベッドを抜け出してリビングに戻る。ソファーに座り、動画配信サイトで雄飛の映画を探した。

雄飛がどれだけ努力し成長し、成功したのかが手に取るように分かった。雄飛はもう、顔がいいだけのアイドルとは違う。
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