LOVEPAIN⑦シリーズ全完結しました
「私にも、一口下さい」


私は成瀬の横に同じように座り込み、
壁に凭れた。



「あ、そうか。
お前もう成人してんのか?」


「今さらですか?
未成年の篤に散々飲ませてた癖に」


篤の名前が出たからか、
成瀬は何処か切なく笑う。


「そうだったな…」


きっと、篤との楽しく過ごした思い出を思い出したのかもしれない。



「篤は…。
仕方なかったんです!
病気のお母さんの為に、どうしてもお金が必要で!
篤のお母さん癌で、最近また再発したとかで、そうやってお金が必要で!」


きっと、その事は成瀬は知らない。



それを知ったからって、成瀬の気持ちが少しでも楽になるのかは分からないけど。



「篤の母親って、あの超美人の母ちゃん?」


「そうです。
成瀬さん、篤のお母さんの事知ってるんですね?」



「病気だとかは知らないけど。
ほら、篤に金たかりにあの母親よく会社に来てたから。
それで、何回か見た」


成瀬からそう聞かされて、
やはり篤の母親は最低で。


なんでそんな母親の為に、篤は成瀬を裏切ったのだと、悔しいような悲しいような気持ちになる。



「それでも、成瀬さんは自分を裏切った篤の事を許せないですか?」



「いや。
篤がそうやって母親を放っておけない奴で良かったって思ってる」


その成瀬の顔を見ていると、それは本心からの言葉だと思った。


だからこそ、余計に思う。


「なんであんな母親の為に篤は…」


「言っただろ?
男はみんなマザコンなんだって」


そう言われ、篤もそうなのか…、と、
妙に納得してしまった。


< 104 / 173 >

この作品をシェア

pagetop