LOVEPAIN⑦シリーズ全完結しました
病院から出ると、もう明るい。



さっき一階の受付の近くの時計を見たが、
もう昼時近い。



きっとナツキは、私は成瀬と一夜を共にしたとか思っているかもしれない。



そうやって思われる事自体は、構わないけど、
ただ、それでナツキの心が乱れていたら…。


考えれば考える程不安になり、
私は病院のロータリーに急いで行き、

タクシーに飛び乗った。



今さらだけど、何故スマホを忘れて出たのだろうか。


もしあれば、病院に来て直ぐにナツキに連絡したのに。


でも、どうだろう…。



実際、成瀬の容態が安定したと聞く迄、

一切ナツキの事を考える事はなかった。


ただ、ただ、成瀬が死んだら、と怖くて怖くて、怯えていた。

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