LOVEPAIN⑦シリーズ全完結しました
その日の夜。


篤のリクエストで、晩御飯はすき焼きにした。



ちょっといい肉を買って、少しリッチに。


「俺、明日バイトの面接行って来る」


篤は肉に卵を付けて、それを口に放り込んだ。



そっかぁ。


私達、今は仕事していないから、
ずっとこのままの生活は出来ないな。


「とりあえず、時給いいからパチンコ屋にした。
落ち着いたら、大型の免許取って、トラックでも乗るか」


篤は何も言わなかったけど、
それなりに先の事を考えていたんだな。


「私は、どうしよう…」



全く、私は何も考えてなかった。


貯金は600万くらいあるので、
金銭的に焦って無かった事もある。



「お前は、暫くは何もすんな」


「え?」


「2~3年もしたら、世間はお前の事なんか忘れるだろう」


そう言われ、確かに、それくらい時間が経てば、
今日みたいな事は無くなるかもしれない。


「俺が飯も食わせてやるし。
ちょっとくらいなら、こづかいもやるし。
それに、お前もそれなりに貯金はあんだろ?
それで欲しい物も買えんだろ」


「うん。
だから、食費くらいは出すけど」


「いや、それは出さなくていい」


多分、これ以上私が出す、と食い下がると、
また、篤が怒り出す事は分かっているので、
もう言わないけど。


ここの家賃も、きっと高いだろうし。


そんなパチンコ屋のアルバイトくらいで、なんとか出来るのだろうか?


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