LOVEPAIN⑦シリーズ全完結しました
勝手に入っていいのか分からないけど、
そのナツキが居るという処置室へと入った。



ベッドに寝たまま、宙を見ていたナツキが、
こちらに視線を向け、驚いているのが分かった。



「一瞬、誰か分からなかった」


ナツキにそう言われ、私は髪型を変えていた事を思い出した。




「私、AV辞めたんだけど、
ほら?まだ街中で顔指されたりするから」


「あー、まだそうなんだ。
それは大変。
AV辞めたのは、モモちゃんに昨日聞いたけど、ほんとなんだ」


ナツキと一緒に居た時も、街中でそんな事があった。


その時は、ナツキがこれからも私の事を応援してあげて、とか言って、いつも軽くあしらってくれていた。



今、私がAVを辞めた事に、ナツキはどう思っているのだろうか。


一緒に居た頃は、私にAVを辞めて欲しいと思っていただろうけど、
関係の切れた今、
どうなのだろう。


「篤君の為なら、辞められるんだ」


その言葉に、なんとなくナツキの気持ちが分かった。


「ってか、なんで広子が此処にいるの?」


「モモさんの事で、成瀬さんに連絡があって。
そこから私に」


「そう…」
< 29 / 173 >

この作品をシェア

pagetop