LOVEPAIN⑦シリーズ全完結しました
夜、その料理をテーブルに並べると、
ナツキは嬉しそうな顔をしていた。



「なんか、クリスマスって感じ」


そう言うナツキは、普段出掛けない日は1日中部屋着で過ごしているけど、
今日はそれなりに着替えをしている。


コンタクトはせず、メガネだけど。



「明日は、二人でどっか出掛けてみない?」



そんなナツキを見て、思いきって言ってみた。


此処に戻って来て半年以上経つけど、
一度も私とナツキは二人で出掛けた事はない。


各々通院や、ちょっとした買い出しに行くだけで。


以前みたいに、またナツキと何処かに出掛けたりしたい。




「クリスマスだからどこも一杯だけど、どこ行きたい?」


そう訊いてくれるって事は、
私のその提案は受け入れられたって事だろうか。



「そうだね…。
あ、テーブルが欲しい。
ダイニングテーブル。
買い物とかは?」


ナツキの部屋の広いリビングにはダイニングテーブルがない。


元々ナツキは自炊しないからなのもあるだろうけど。


いつも食事は、ソファーの前のローテーブルでしている。


「じゃあ、あっこ行こっかな」


ナツキはその場所を浮かべているのか、
ちょっと考えたように上を見ている。


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