意地悪な部長と私
「ぶ、ちょう…」

「相原!」


部長が私を抱きしめてくれている。

やっと抱きしめて貰えた。


「勝手にいなくなりやがって…」

「ごめんなさ、い。会いたかった…」


私はそこで意識がなくなった。

あぁ、死ぬんだと。


死んでも心残りはない。


やっと部長に会えて、やっと抱きしめてもらえて幸せ。

部長の腕の中で死ぬなんて、幸せなじゃない。


貴方を守れなくてごめんなさい。

弱い私でごめんなさい。

バカな私でごめんなさい。


だけど、私は貴方が大好き…いや、愛してます。

死んだあともずっと。


部長?

私はすごく幸せでした。


欲を言えば、もっと部長と一緒にいたかった。

だけど、そんなワガママはもう願わない。


抱きしめてくれたから

優しく抱きしめてくれたから、もう充分です。
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