白猫王子と俺様黒猫~猫神の嫁なんてお断りですっ!~
「ありゃりゃ」


 私が青ざめていると、今まで私と黒霧の言い合いを静観していた白亜が、困ったように笑って言う。

 私の主張に納得してくれた白亜だけど、黒霧のことはなんとかしてくれないかなあ……。

 でも、私を嫁にして猫神の座を狙っている白亜にとっては、私が黒霧と仲違いをするのは好都合なのかもしれない。

 まあ、白亜の方は「嫁とか結婚とか言わない、私とは親戚ということにする」という提案には乗ってくれるようだし、よしとするか……。

 そう思ったところで一時間目開始を告げるチャイムがなったので、私と白亜は教室に戻った。

 すでに席に座っている黒霧は、ぶすっとした顔をしてそっぽ向いている。

 はあ、どうしよう……。

 私は深くため息をついて、自分の席に座る。

 すぐ後ろが黒霧だから、授業中ずっと気になってしまった。

 ちなみに愛羅はちらちらとこっちを見ては負のオーラを送ってきていたけれど、面倒だったので私は気づかないふりをしたのだった。

 


 
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