オフィスの華(令和版)Episode.0~スノードロップ~
エピローグ*希望
多量の出血、肺にまで達した傷口で外傷性気胸を起こし、重症だった。

栗原は他の連中を呼び、救急車が到着するまで必死にできる限りのコトはやったらしい。

彼の働きで、下半期の営業成績は伸びた。

でも、俺が退院するのを待たずに、彼は退職して、姿を消した。

あれからもう丸一年が過ぎて、俺は常務に昇進した。
季節は春先。
四月になれば、またわが社に希望を抱いて新入社員が入社して来る。
「常務、会議の資料です」

奈央が俺に十時からの資料を手渡しする。
今も彼女は俺の秘書。
そして、恋人。

「サンキュー」

奈央のストーカーに刺された俺。

奈央は社内では魔性の女だと噂された。
確かに魔性の女だ。本人はそうじゃないと言い切るが、俺と栗原を手玉に取ったんだからな。

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