地味同盟〜地味男はイケメン元総長〜
 確かに、本気で嫌なことはされていない。

 頭の中に今日のお昼の時の日高くんの顔が浮かぶ。


『もしかして避けられてんのかな、と思った』

 そう言って安堵(あんど)していた日高くん。


 それは避けられるかもしれないと思ってたってことで。

 避けられるかもしれないことをしたって自覚はあったってことで。

 最初のキスの事、少しは反省してるのかな?


 強引な態度だから分からなかったけれど、日高くんは本当にあたしのことを好きでいてくれて、彼なりに大事に思っててくれていたのかもしれない。


 多分、あたしがあたしを一番大事にしていなかったんだ。


「あたし、ダメだなぁ……」

 反省しなきゃな。


《そうだね。それも含めて、ちゃんと向き合ってみる》

 最後にそう返して、みんなから頑張ってと返事を貰い、今日の報告を終えた。
< 205 / 600 >

この作品をシェア

pagetop