地味同盟〜地味男はイケメン元総長〜
 想像してみて、眉間にシワが寄る。

 変な事はしないとは思うけど、それでも素直に引くとは到底思えない。

 絶対に面倒なことになるに決まってる。


 頼まれた事はさくらにでもお願いして、あたしが助けに行っても良いんだけど……。


 そう考えながら日高に目を向ける。

 女子に囲まれて無愛想に対応している日高。

 内心うんざりしていそう。


 そっちにも助けが必要そうだし、何よりヒロインを助けるのはヒーローの役目だしね。


 そう思って、彼に声を掛けた。


「ねぇ日高。灯里が空き教室に行って戻って来ないんだけど、ちょっと見に行ってくれない?」

 言うと、日高では無く周りの女子達が拒否をする。

「何で日高くんが行かなきゃ無いの?」

「今、日高くんあたし達と話してんじゃん」


 いや、まともに話しては無いよね?

 日高、「ああ」とか「いや」しか言ってなかったし。

 めっちゃ顔不機嫌だし。
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