地味同盟〜地味男はイケメン元総長〜
 あたしは内心でツッコミを(とど)め、彼女達を無視してまた日高に話し掛ける。

「例の三人組が追っかけてったんだけど」

 ガタッ

 あたしが言葉を言い終わるかどうかというタイミングで、日高の椅子が大きく鳴った。


 突然立ち上がった日高に戸惑う女子には目もくれず、彼は女子の囲みを押し除け素早く教室から出て行く。

 ああ言えばなりふり構わず向かうだろうとは思っていたけれど、あまりの素早さにあたしも呆気に取られてしまった。


 シン……と静まり返った教室で、早くも立ち直ったらしい女子が呟く様に口を開く。


「な、によ……あれ」

 その声に改めて日高を囲んでいた女子を見るあたし。

 ハッキリさせておいた方が後々の面倒も少ないかな、と思って答えた。

「見ての通りよ。日高は灯里しか見えてないから、早く諦めた方が良いよ?」

 とはいえ、あたしの言葉だけでは納得も出来ないみたいだ。
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