地味同盟〜地味男はイケメン元総長〜
「諦めるって何よ」

「あんなにイケメンなのに、独り占めする方がずるいでしょう!?」

 しまいには自論を正論の様に言い放つ。


「独り占めって……」

 これは思ったより面倒かもしれない。


「ずるくないよ!」

「そうそう、灯里には独り占めする権利もあるし」

 あたしが返す言葉を考えていると、様子を見ていたさくらと沙良が先に突っかかっていく。


「独り占めする権利って何よ!?」

「見たでしょ? 日高は灯里の事好きなんだって。それなら灯里が日高を独り占めしたって、むしろ日高は嬉しいでしょ?」

 沙良の言う事はその通りだと思うけれど、彼女達には通用しそうにない。


「だからってあんなメイクが上手いだけの子を日高くんが好きとか信じられない」

「そうだよ、あんな整形メイクまでして美人に見せる詐欺師のくせに」


「……は?」

 いくらなんでも言い過ぎな彼女たちに、あたしはちょっと……いや、かなりブチギレた。
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