地味同盟〜地味男はイケメン元総長〜
「でも灯里は俺がこんな風に怖がられるようになるのは嫌だったんだよな? だからそれだけは、悪ぃと思ってる」

 少しシュンとして見える陸斗をちょっと可愛いと思ってしまう。

 それを口にすると怒りそうだから言わないけれど。


「確かに陸斗が怖がられるのは嫌だよ? でも、陸斗がそれで嫌な気持ちになる方がもっと嫌。だから平気だって言うならそれでいいよ」

 あたしのことを気にしてくれていたことが嬉しくて微笑んでそう言ったら、陸斗は少し黙った後に――。

「な、抱きしめていいか?」

 と真顔で言ってきた。

「ダメです!」

 思わず反射的に拒否してしまうと不満な顔をされる。
 そんな陸斗にあたしはちゃんと理由も話した。

「学校で、しかも皆がいて皆の目がある廊下で何て……恥ずかしすぎるもん」

 最後は消え入りそうな声になってしまったけれど、ちゃんと説明する。
 でも陸斗はまた真顔になって。

「やっぱり抱きしめてぇんだけど?」

 何て言うから拒否するのに苦労した。
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