地味同盟〜地味男はイケメン元総長〜
 教室に戻ると皆がまだいたため、事の一部始終を話して聞かせる。

 そうして真っ先に会員一号に名乗りを上げたのはさくらちゃんだった。

「あたし、二人のお手伝いがしたい。自分でこういう可愛い以外のメイクアップ出来るようになりたいし!」

 正直なところ助かる。

 勝手を知っている人が近くにいてくれればあたし達もやりやすいし。


「あたしも部活入ってなきゃ一緒にやりたいんだけどなー」

 残念そうに言う沙良ちゃん。

 あたしも残念だけれど、こればっかりは仕方がない。


「まあ、部活がないときだけでも来ればいいじゃん。同好会だし、そこまで厳しいことは言わないでしょう」

 美智留ちゃんがそう言うので、沙良ちゃんは「絶対行くからね!」と今から断言していた。


「俺も入るからな、その同好会」

 女子の会話が終わるのを見計らって、陸斗が言った。

 続けて花田くんも。

「俺もだろ、日高。のけ者にするなよ」

 と、陸斗の肩に腕を置いて言う。
< 586 / 600 >

この作品をシェア

pagetop