桃色溺愛婚 〜強面御曹司は強情妻を溺愛し過ぎて止まらない〜
「君の……杏凛の気持ち一つでもあれば、俺はそれだけでいいんだ」
「匡介さん、それって……?」
私の気持ち一つとはどういう意味なのか、もっと詳しく知りたくて彼に問い詰めようとするとまた空が光る。
大事な話をしているのに、どうしてこんなことで邪魔をされなきゃいけないの? 今しか聞けないような気がするのに、どうしてもこの光と音が怖い。
「匡介さんにあげるから……私があげれるものなら全て。だからずっと傍にいて……」
とても冷静といえる状態では無かったし、本当に匡介さんの欲しがっているものが何かは分からなかった。でも、私の言った気持ちにも決して嘘は無い。
「ああ、傍にいる。俺はずっと杏凛だけの傍に」
優しい囁きにそっと目を閉じる、雨音は次第に小さくなり雷鳴は遠くなっていった。身体から力が抜けて、そのまま匡介さんに寄りかかる。
柔らかな髪をそっと梳いていく感触でぼんやりしていた意識がやっとはっきりしていく。
「匡介さん、私……さっきの話は……」
匡介さんはちゃんと聞いてくれた? きちんと貴方に伝わった? そう聞くつもりだった、それなのに匡介さんは。
「分かってる、あんな状況でまともな判断なんて出来ないだろう。本気にはしてないから、君は気にするな」