桃色溺愛婚 〜強面御曹司は強情妻を溺愛し過ぎて止まらない〜


 私は捻くれてて可愛くない妻なのに、この人はどうしてここまでしてくれるの? こうやって優しさをくれるのに、私が気にしている事には答えをくれなかったり。
 いっそ思いきり傲慢な夫でいてくれれば、私だって強情な妻の姿だけを見せていられるのに。そっと被ったシーツを剥がしてくる彼から逃れるように、私はギュッと目を閉じる。

「……こっちを向いてくれないか、杏凛(あんり)。君ときちんと向き合って話がしたい」

「嫌です」

 そう言ったもののそれ以上は触れてくることも無く、静かに待っているだけの匡介(きょうすけ)さんに結局私の方が根負けしてしまって。
 諦めるようにゆっくりと身体を匡介さんの方へと向ける。

「匡介さんて意外と粘り強いですね。普通の人なら私みたいな女の相手なんてすぐ止めてしまうのに」

 これは本当の話で、私が見合いをした相手は匡介さんが初めてではない。私の病気や性格を理由に何度も相手の男性から断れれてきたのに、そんな私から匡介さんは離れようともしない。

「当たり前だ、すぐに諦めるられるならこんな手を使ったりしてまでいない。君が思うほど俺は潔い性格はしてないんだ」

「……意味がよく分かりませんが?」

 何か深い意味があるようだけれど、それを私に教えるつもりはないような言い方。余計に気になる事を増やされて、こっちの方が何となく焦らされているような気分になる。


< 42 / 250 >

この作品をシェア

pagetop