桃色溺愛婚 〜強面御曹司は強情妻を溺愛し過ぎて止まらない〜
「やっぱり私がこんな鈍感な妻だから、匡介さんに余計な苦労をさせているって事なのね。もしかして帰ってくるのがいつも深夜なのも……」
いつも仕事で遅くなっていると言ってるけれど、本当は私と一緒に居る時間が苦痛なのかもしれない。もしかして匡介さんの帰りを待っているのも迷惑だと思われてたり?
不安になって寧々を見つめると、寧々は額に手を当ててまた溜息をついてみせる。
「……はあ、本当に旦那様が気の毒です」
それ以上寧々は何も教えてはくれず、一人で買い物に出て行ってしまった。私は本棚とチェストの整理を終えると、寧々が用意してくれていた紅茶を飲んで一息ついた。
時間を確認しようとテーブルのスマホに手を伸ばすと、ピコンとメッセージの受信音。もしかして香津美さんか月菜さんからかもしれない、すぐに確認すると……
『来週の日曜は予定を開けておいてくれ』
短いメッセージの送り主は匡介さんだった。仕事の時間に彼がメッセージを送って来ることなど滅多にないのに、こんな内容をどうして?
帰って来てからでも別に良い気がするのに、真面目な彼が仕事時間に送った意味は? 寧々に聞きたいのに彼女はまだ買い物から帰ってこない。戸惑っていると、またスマホが鳴った。
『返事は』
慌てて「大丈夫です」と返事を送って、既読が付いたのを確認する。これだけのやり取りなのに、心臓は驚くくらいドキドキとうるさく音を立てていた。