魔法の恋の行方・魔女の告白(シリーズ4・バージルとレティシア)
<街の本屋の店先・17時>

バージルは本屋の店先で
懐中時計を手に、イライラしながら待っていた。

二人とも戻ってこない!!!
レティは街は初めてだろうし、
何しろ魔女だから・・・

何か、しでかしていないか心配だ!マリエを巻き込んだら・・・

やはりついていけばよかった・・・
バージルは自分の逃げた判断を、
後悔していた。

マリエとレティが角の通りから
姿を現わした。
ふたりで手をつなぎ、大きな紙袋を持っている。

「バージル先生!!お待たせ!」

マリエが笑顔で手を振った。
バージルもやや、ひきつりながら笑顔を返した。

「遅いので・・心配をした」

マリエはそんなバージルを、
まったく気に留める様子もなく
「バージル先生、見て?
かわいいでしょう?
私が選んだのよ。このドレス」

マリエが自慢げに、レティを見た。

レティは
クリーム色に緑色の小花が散った
柄で、裾にフリルがたっぷりついたドレスを着ている。

ウェスト部分には大きな緑色のリボン。
赤い髪もきれいにカールされて、
ツインテールにはクリーム色のリボンが揺れていた。

「ああ・・そうだね・・」
バージルは目を細めた。
人形のようにかわいらしい…
中身は相当に違うが・・・

「あと、アイスクリームを一緒に
食べたのだけれども、3つも食べたから、
お腹をこわさないか心配だわ」
マリエは心配げにレティを見た。

「大丈夫だ」
バージルもレティの顔を見た。

その顔は3つしか食べていない・・不満げなのがわかった。
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