碧天の下で、純白の球、夏に泣く。



「保田先輩〜!!!」

「いけ保田!!かっ飛ばせー!!!」




保田を応援する声。



そんな状況の中、
保田は堂々とバッターボックスに立っている。

ピッチャーを見る目は、鋭く光っている。


いつもとは、正反対の目だ。





「保田!打てよ、絶対!!!」


後輩や観客に負けないくらいに叫んだ。


「‥?」

そのとき、
‥保田が、こっちを見たような気がした。



「あいつ、笑っ‥「保田先輩ならいけますー!」


うっすらと、
確かに俺を見て、笑っていた。



その、瞬間。
俺は、まだ知らなかった保田を垣間見たような気がした。



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