碧天の下で、純白の球、夏に泣く。


「‥どうしたんだ、あいつ?」



まさか負けると思って?


「いや、保田はそんなこと思うわけがない‥。」


保田は誰よりも諦めの悪いやつだ。

いつか、冗談半分でそのことを伝えたら。


[あー、確かに俺諦め悪いわ‥。]

[だろ?]

[‥多分、お前より諦め悪いから。
ま、野球には向いてるよな!!]


そんなことを言ってたっけな。




「だったら、なんだ‥?」

「日向先輩!!ベンチから呼ばれてます!」

「‥分かった、行く。」



試合が終わったら、訊こう。


あいつは、俺とバッテリーなんだから。




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