碧天の下で、純白の球、夏に泣く。
思い、別れ

side 斗蒼




「‥御白っ!!!」

「‥とあ、お‥くん?」


試合が終わったあと、すぐ。

全力で自転車を飛ばして着いた、御白の病室。


「御白、大丈夫かっ!?」

「斗蒼く‥、試合‥。」


テレビはさっきまでついていたのだろう、
見やすい位置に動かされていた。


「たいちょ‥悪化‥して、
かんご‥し、さ‥に、切ら、れて‥。」

「いい、喋らなくていいよ。」


カタコトで、途切れ途切れに話す御白。

ついさっきまで、
今までみたいに普通に話していたのに‥。


「‥試合、は。」

「うん‥。」



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