碧天の下で、純白の球、夏に泣く。
そうだ。
変に気を張って失敗してしまうよりも、
自分が全力でぶつかって、
それで打ち砕かれた方が絶対にいい。
それに、全力で勝ったときは本当に嬉しいしな。
「‥先輩〜っ!!!」
「おい泣くなよ!今から投げるんだろっ!!」
「ゔー、ぜんばぃー!!」
「おい、要!早く出てこい!」キャッチャーの保田が叫ぶと、
渋々泣くのをやめてマウンドに向かった錦城。
「‥あぁ。俺もだ、保田。」
連れ行きざまに、
保田が口パクで伝えてくれたのは、
『あ、り、が、と、な、
し、ん、じ、て、ま、っ、と、け!』