碧天の下で、純白の球、夏に泣く。


「とあ、おくん。泣いて、い‥いん‥だよ。」

「‥ごめん。本当にごめん。」




悔しい‥。
悔しい、悔しい悔しい悔しい。



「親との約束‥、果たせなかった。
甲子園行ける‥チャンス、もうないのにっ‥、
‥叶えられなかったっ!」



悔しい‥‥‥!!!






「とあ、‥‥おく‥。」

「‥っ。」

「わた、し‥、まって‥‥まって、るって。
まっ‥、まってる‥って、いっ、いった。」


大粒の涙を流しながら、
一生懸命話す御白。




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