碧天の下で、純白の球、夏に泣く。



「そっか‥。なら、待たないほうがいい?」


シュン、と肩を落とした彼女。


っ、なんて言えばいいんだろう‥。


そんな顔して欲しいわけじゃなくて。



‥1人で待たれるのは、可愛いすぎる風早さんが心配だから、やめてほしい?

‥というか、まずもう風早さんを周りの奴に見て欲しくないから、教室で待っていて欲しい?

‥大会を理由にして、風早さんと一緒に帰れるのが死ぬほど嬉しいから、待ってて欲しい?


「‥ひゅ、ひゅ日向くん。」

「あっ、ごめんごめん、なにかな?」

「‥ぜ、全部聞こえてる‥。」

「‥。」



全部‥?





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