碧天の下で、純白の球、夏に泣く。


「え、俺いま声に出してた!?」


コクン、と小さく縦に首を振った風早さん。


「マジか‥。」

「マウンドにいる時の日向くんらしくないね。」


‥彼女といる時だけ、
こんな風に自分のコントロールができなくなる。

いつもならこんなことはならない。
どんなにピンチの時だって、
絶対に勝たないといけない試合でも。


なのに、
風早さんといる時だけ、
よくやらかしてしまう‥。






それは、
知らなかった自分を見つけてくれているようで、少しくすぐったい。

< 4 / 164 >

この作品をシェア

pagetop