碧天の下で、純白の球、夏に泣く。


試合は3対2の8回表、ツーアウト1塁2塁。

3点を勝ち越していた俺たちだが、
この回、一気に2点を取られた。



俺の球が甘かったのと、
セカンドのエラーが重なってしまった。


「ははっ、真っ向勝負好きだなぁ。」


保田とは、小学校の頃から同じチームで
共にプレーをしてきた。



「お前の性格はわかってるから、
そう言うだろうとは思ったんだけどな!」

「うっせーよ!」


冗談まじりに保田を睨みつけると、
審判の急かすような顔が見えた。 


「保田、そろそろ。」

「おうよ。」



「いいぜ、真っ向勝負。流れとか関係ねーよ。」と言いながら、ホームに戻っていく保田。


< 9 / 164 >

この作品をシェア

pagetop