彼と彼女の取り違えられた人生と結婚
愛しているのは罪ですか?

 2か月後。

 新緑が広がる5月になった。

 あれから樹里と柊は翌日に初デートを済ませて、1週間後に双方の顔合わせをすませて、2週間後に入籍した。

 会社の一件もあり、結婚式は行わなくていいと樹里が言い出し入籍だけすませた樹里と柊。

 
 住まいは宗田家で同居する事になった。
 どこか別にマンションを借りて、2人で住む話も出ていたが樹里が出費がかさむことは避けたいと言い出し同居することにした。

 手放す事にしていたお屋敷は、樹里が援助してくれた事から手放さずに済んだ。
 広いお屋敷に宇宙と柊の2人暮らしで、寂しい想いをしていた事からちょうどいいと言われた。



 宗田家はおしゃれな洋館のようなお屋敷。
 駅から10分ほど離れた場所に茶色い壁に赤い屋根と、どこかの物語にでも出てきそうなオシャレな建て具合で2階建ての広々としている。

 周りが簡素化された住宅地で、ポツンと一軒建っているように目立っているこのお屋敷は通り行く人達に注目されている。

 白い外壁に囲まれ、赤い鉄製の門をくぐって玄関へ続く道はアーケードのようにバラの花が弦を巻いて咲いている。
 
 車庫は門の横に3台停まっている。
 1100クラスの小さめの白い乗用車と、2000クラスのシルバーのボックス系の車、そして赤いスポーツカーが停まっている。

 門から玄関まではあるいて5分程度。

 玄関はオシャレな量開きの扉。
 茶色い木目のような中に、すりガラスが四つの窓のように入っている。

 玄関が開くと広い土間が広がり、玄関を入ると長い廊下が続き途中に2階へ続くらせん状の階段がある。
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