冷徹弁護士は奥手な彼女を甘く激しく愛し倒す


「それなら、俺のために付き合って、俺のためにそばにいろ。そうすれば俺と付き合ってこの部屋で暮らすこと自体がおまえの安心材料になる」

そのやや強引な提案は、たしかに理にかなってはいるように思えたのだけれど……なんとなく腑に落ちなくてうなずけずにいる私に、岩倉さんが続ける。

「あと、恋人になった以上、俺の厚意は変な遠慮しないで素直に受け取れ」

反論など受け付けない、という態度に、思わず「はい」と返事をする。

私の顔を見て最後、満足そうに微笑んだ岩倉さんを見る限り、どうやら晴れて恋人同士になれたようではあるものの、なんでだかいつまでも件の提案がうまくかみ砕けなかった。


そのあと、岩倉さんに連れられるまま一緒にお風呂に入ったのだけど……そこで自分の発言を後悔した。

『岩倉さん、いつも大事に触ってくれるから、全部、私のためなんだなってわかって……すごく申し訳なかったです』

私の言葉を覚えていた岩倉さんは、「別におまえのために丁寧に扱っていたわけじゃない」と言い、この日も大事に私に触れた……のだけれど。

「俺の好きにしていいということなら、おまえの言葉に甘えさせてもらう。たしかに、おまえの体を気遣って遠慮していた部分はある」

いつもなら終わっていたところで告げられた言葉に耳を疑った。
でも、その頃には岩倉さんの声にすら体が反応してしまう状態までぐずぐずになっていたので、私の抵抗なんかが敵うはずもなく……そんな私に岩倉さんは手を緩めようとはしなかった。

過ぎる快感から逃げ出したいのに、腰に回った腕が許してくれない。

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