ずっと甘溺愛婚 ~それでも性悪お嬢様は俺様御曹司に溺愛される~


「……こんな事して後で後悔する事になるのは、聖壱(せいいち)さんの方じゃない?」

 少しくらいの事で私は怯んだりしない、聖壱さんだってそんな事はちゃんと分かっているはず。なのにこんな行動に出るのは、それだけ彼も本気でお仕置きとやらを実行しようということ……

「へえ、どうして?」

「私にはお仕置きされる理由なんてないもの、そんな意地悪な事をする夫なんて嫌いになるかもよ?」

 そう言って私は、シャワーで濡れる身体もそのままにニッコリと微笑んで見せる。虚勢を張って威嚇してみせて、それでも駄目だとしたら……

「夫である俺以外の男に目を奪われたのに?……それに心配いらない、香津美(かつみ)に嫌われるようなことをするつもりはないからな。」

 ちょっとだけ料理教室の講師を褒めただけ、それだけの事なのに……聖壱さんがこんなに独占欲の強い人だったなんて。

「じゃあ、お仕置きってどんな……?」

 多分知らない方が良かった事を、いつもの癖で聞いてしまった。聖壱さんの指先がお湯に濡れた私の鎖骨の間ん中に添えられて、ゆっくりとその白い肌の上を滑っていくの……
 それ感触だけでもゾクゾクとしてしまい彼の指から逃げようとする私の様子を、聖壱さんはジッと見ていて……



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