ずっと甘溺愛婚 ~それでも性悪お嬢様は俺様御曹司に溺愛される~


 聖壱《せいいち》さんの指先を避けるように身体を捻じろうすると、彼はゆっくりと指先を私の身体から離した。でも、こんなに簡単に彼が許してくれるとは思えない……
 すると聖壱さんは私の前でそのまましゃがみこんでしまう。そんな場所で屈み込んではシャワーのお湯を思いきり浴びてしまう事になるのに。

「待って、聖壱さん。そのままだと服が……!」

「構わない。こうしておかないと、香津美(かつみ)お仕置きにならなくなるんでな。」

 シャワーのお湯はどんどん聖壱さんを濡らし、彼の白いシャツはその肌に張り付いている。彼の逞しい胸板も透けて見えていて、妙に色っぽく感じてしまう。
 いつも見ている聖壱さんの姿とはまた違う、そんな事にドキドキしてしまったの。今はまだお仕置きの最中だというのに。
 聖壱さんはそんな私を見てニヤリと笑う、まるでこれが自分の予定通りだと言わんばかりの顔をして。

 しゃがみこんだ聖壱さんはボディーソープを手に取ると、そのままその大きな手のひらで泡立てる。普段はスポンジを使うのに……嫌な予感しかしない。
 彼はそのまま立ち上がると、私に両手を上げるように言った。

「今日は俺が洗ってやる。香津美はそのままジッとしていろ、いいな。」

 聖壱さんが私の身体を洗ってくれることは珍しい事じゃない。だけれど今日の彼はいつもとは違う……聖壱さんの手のひらが、そのまま私の身体に直に触れ泡を乗せていく。

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