こんな私でも貴方に愛されますか?
じいちゃんからは
色んな事を学んだ。


そんなじいちゃんが突然
私たちのそばからいなくなった。

心筋梗塞‥
会社で倒れてそのまま‥‥。

何年経ってもじいちゃんを
忘れる事はない。


大人になった今も。


じいちゃんの死から
地元を出たいと思うようになり
大学を北海道に決めた。


両親は最初は猛反対
姉も妹も加わって

考え直せと言われ続けたけど
私の決意は変わらなかった。

美しくて大好きな家族と
住み慣れた地元を離れて


今に至るのである。


大学生と言えばアルバイト
料理が好きだったから厨房を
希望したけど


「愛嬌あるからホールでー。」


あんまり目立ちたくないのに
私は毎日でっかい声をあげて


「いらっしゃいませー!」


「ありがとうございます!」


「かしこまりたしたー!」


「また お越しくださいませ!」


バイト先を変えず
勉学バイトに励んだ。


お客さんからの人脈も広がり
毎日楽しく過ごしていた。


そんな中で私は初めて恋に落ちる。


この恋から私の正統派の愛嬌が
打ち砕かれて

隠していた心の毒が
ぐちゃぐちゃに混じり合う。





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