飴色溺愛婚 ~大胆不敵な御曹司は訳ありお嬢様に愛を教え込む~
「それって千夏の本心? 自分と結婚したばかりの男がほかの女性にモテて、君は本当に嬉しいの?」
「それは……」
櫂さんに言われて私は戸惑う、そこまで深く考えて無かった一言で彼をこんなに不機嫌にさせてしまったのかと。
恋愛経験のない私には夫が女性にモテる事が良いことなのか、それとも悪いことなのかなんて考える必要もなかったことで……
でも昔読んだ少女漫画では人気の男子ばかりがヒーローだったので、それは嬉しいことではないのかしら? そんな安易な考えで櫂さんを見上げると、彼は呆れたような顔をしたの。
「じゃあさ、千夏は俺が君の目の前で他の女の子に触れられたりして何とも思わない? 俺が千夏にするように他の女性を撫でても平気だって言える?」
私にしたように、櫂さんがほかの女の人に優しく触れる……? 櫂さんはサラッと言ったけれど、私にとってはそれは大問題だった。
世間知らずの私は一般的な男女の関係に疎く、大げさに受け取ってしまって……
「う、浮気です! 櫂さん、それは絶対にいけません!」
契約結婚とはいえ妻である私と同じように他の女性に触れるというのは、駄目な事じゃないのかと思ったの。少なくとも私は櫂さんのように気安く他の男性に触らせる気はないのだし。
そんな私の言葉に櫂さんは吃驚したような顔をして私を見つめ返していたけれど、すぐに余裕の笑みを浮かべて……