飴色溺愛婚 ~大胆不敵な御曹司は訳ありお嬢様に愛を教え込む~
「だからさ、そういうのが……って、千夏に言っても伝わらないんだよなあ」
やっぱり困ったような表情のままの櫂さん。私が彼に嫌われてなくて安心する事の何がこの人にこんな顔をさせてしまうのか分からない。
「私、何か櫂さんを困らせる様な事言ってるの?」
櫂さんの言う事は半分くらいよく分かってない。私が彼を煽っているとか、櫂さんが何かを我慢しているとか。わざとなのか、櫂さんは私にその言葉の意味をハッキリと教えてくれないから……
彼に拗ねたような、強請るような視線を向ければ、ガリガリと頭を掻いて大きく息を吐いた。けれど次の瞬間、櫂さんは私の肩を両手でつかんで……
「あーもう、分かった。耐えるよ、限界まで耐えてみせます。でもさ……もうどうしようもなくなったら、ちゃんと千夏が俺を受け止めてくれよ?」
「……はい?」
真っ直ぐに私を見つめて櫂さんはそう言ったのだけど、彼はいったい何を耐えるというの? よく分からず櫂さんを見つめたまま首を傾げるけれど、彼は私を見つめたまま目を逸らさない。
多分、私に自分で気づかせようとしてるのだろうけれど……
受け止めて欲しいと言われたけれど、それは両手を広げて待っていればいいってわけでもなさそうだし。考えている間、じっと見つめられていて彼の視線が痛く感じる。
「ええと……その時は櫂さんを抱きしめればいいんでしょうか?」
「残念、ハズレ。俺が千夏に求めているのはもっと————」