【完】素直になれない君と二度目の溺愛ウェディング

「私は自分のこのつり目嫌いだけどね。」

「アハハ~、君は実は周りと自分を比べてばかりいる人だからね。
どーせルナちゃんみたいなどんぐりみたいな大きくて垂れ目の方が良かったって言うんでしょう?」

再びこちらを見つめたレナはきょとんとした顔をして、ココアの入ったカップをゆっくりとテーブルに置く。

「お見通しね。私の事…」

「だ~い好きなレナちゃんの事なら全部分かっちゃうんだから。」

「本当に…よく分かってるわよね。 私、顔はお父さんに似て結構きつめなの。
お母さんがルナによく似ている大きな瞳で垂れ目でね。すごく優しそうな顔なのよ。
でも私って実はそう気が強くないから、この顔で怖がられて損ばかりしたわ。 何もしてないのに意地悪そうな顔や冷たそうって言われてね。
周りからそう言われれば言われる程、自分はそういう人間なのかって性格まで捻くれちゃって…本当に私って駄目な女ね」

ふぅっと大きなため息を吐いて、今度はしょんぼりとした顔をする。

確かにレナはルナちゃんには余り似ていない。 第一印象はどう見たってルナちゃんの方が穏やかで癒し系だ。

けれど俺はキリっとした美人のレナの顔が好きだった。 猫みたいなつり目も好きだ。 笑うとそのつり目が線の様になって可愛い事を知っているから。

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