【完】素直になれない君と二度目の溺愛ウェディング

「大好きなレナちゃんの事、全部分かっていたつもりでいたけど全然分かっていなかった。本当にごめん……
レナちゃんが俺の事でこんなに傷ついてしまうなんて思ってもなくって、軽はずみな行動をした。
きちんと謝らせて欲しい。
嘘をついて弓香さんと食事に行ってしまって、本当にごめん………。 もう誰にでもいい顔をするのは止める…。」

背筋を伸ばし向き直って、深々と頭を下げた。 俺はある意味弓香さんと食事に二人で行った事を軽々しく考えていたのだ。

何もないから、これくらいはいいのではないだろうか、と。 それは俺の考えであって、レナの気持ちを全然考えていなかった。

こうやって向き合って謝罪をちゃんとしたかった。 こんなに真剣に向き合いたいと思った女性は、君が初めてだったから。

「やだ…海。頭を上げて……。
私が勝手に怒って海の事を無視し続けたの…。
きちんと話さなくちゃいけないって分かってて、怒ってしまった手前素直になる事が中々出来なくって
ごめんね」

「いやいや、俺の方こそ本当にごめんなさい。こんな事もう絶対ないようにするから仲直りしたい…」

顔をゆっくりと上げると、レナは困った様に眉を下げた。 俺が悪い、私が悪い。互いに繰り返しながら謝っていると、何故かおかしくなってきてついつい吹き出してしまった。

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