【完】素直になれない君と二度目の溺愛ウェディング

「ああ…大丈夫だ。真子さん。
ハァハァ……
もしもし、レナ聞こえている。 聞こえてはいるが…今付き合っている人がいると…これは、私の幻聴なのだろうか…」

「そうよ。私恋人がいるの。だからごめんなさい。お見合いは出来ないわ。
私、彼が好きで彼以外と結婚するなんて考えられないもの……」

付き合っている人が居る。 言うまで何度も思い悩んでいた。

けれど言ってしまえばこんなものなのか、と安堵した。 海が好きで海以外との結婚は考えられない。

なんてシンプルな答えだったのだろう。 こんな事になるならば最初からはっきりと言っておけば良かった。

「お前は……桜栄家の長女だぞ…?」

父の声は弱々しく、けれどもはっきりと口にした。

「分かっているわよ。それは追々考えていくとして
私、彼としか結婚する気はないから」

「お前までルナのような事を………  しかし一体どんな男なのだ。お前のような世間知らずのお嬢様を騙した男は」
 
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