【完】素直になれない君と二度目の溺愛ウェディング

普通のお家だわ…。

多分これは…普通の一人暮らしの男性にしては片付いている方で、リビングとキッチンがくっついていて

ソファーにテレビ。 床には漫画やら小説が少し散らかって置いてある。  リビングの奥に寝室らしきものがあり、うっすらとベッドがあるのが見える。

ベッドを見た瞬間、顔から火が噴き出たように熱くなり心臓の鼓動が速くなった。


私ってば、何を想像しているのよ…!  グラスに入れたお茶を一気に飲み干すと、再び鞄の中を漁る。

ひっくり返して見ても鍵は出てこない。 お財布と携帯と仕事の資料だけ。 一体どこで落としたというのだろう…。

はぁー…大きなため息は止まらない。 何度ひっくり返しても鍵は見つからなかった。 そんな事を繰り返しているうちに海が浴室から出て来た。

「鍵あったあー?」

「ちょ!」

思わずくるりと後ろを向く。
何故ならばお風呂から上がった海は上半身裸だったのだ。

それを察知したのか、海はわざわざ私の前にやって来て顔を覗きこむ。 思わず両手で目の前を隠す。

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