【完】素直になれない君と二度目の溺愛ウェディング

「どんな男性ならばレナさんを落とせるのかって、飲み会では定番のネタです」

「ちょっと君達、私を勝手にネタに飲まないでくれる?」

「あはは~だってレナさんって謎だし。 でもレナさんが好きになるような男性はすっごく大人でスマートな方なんでしょうね。
じゃあ、これ新商品の資料上がったので置いておきます。目を通して置いて下さいね」

「ああ、うん。ありがとう」

私が好きになる人か……。
ぼんやりと考えていたら、あの犬の様に人懐っこく笑う男の顔が頭に浮かんだ。
私ってば、何を。 頭に浮かんだ男の顔を振り払うように首を横に振る。

どうして一番に頭に浮かぶのが北斗ではなかったのだろうか。  全くどうかしているわ。

冷静に考えて見れば、ガイドブックを買ってしまったのもどうかしていたとしか思えない。これじゃあお出掛けを楽しみにしているみたいだ。

あんなのただの話の流れで、社交辞令か何かに違いないのに。  先日の休日に海と出掛けた。 どこに連れられるかと思いビクビクしていたが、意外にもわんにゃんパークなどという可愛い場所へ連れて行ってくれた。

自分らしくもなくはしゃいでしまうほどには楽しかったし、癒された。 その後の何の変哲もない居酒屋での食事も楽しかった。

悔しいけれど海と初めて二人で出掛けて、楽しかったのだ。

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