独占欲が止まらない。クールな社長の裏の顔。

「社長、コーヒーをお持ちしました。何か御用はございますか？」

「大丈夫だ。今日はこのまま上がってくれ。」

もう7時だ。先輩も先程帰られたところだし私も有り難く帰らせていただこうかと思ったがそうもいかない。今日もまたミスをしてしまったからだ。せっかく作った会議のデータを保存せず昼休みにパソコンを落としてしまった。
あ、と思った時にはすでに遅く、慌ててまた立ち上げたがもちろん作ったデータは見つからない。復旧させようにもどこをどうしたらいいのかさえわからない…。

あぁ…
あぁ…
私は半笑いでため息しか出てこない。

午後やり直そうとしたが終わらない。

はぁ〜今日も残業だわ。
コーヒーを入れ自席へ戻り作業を始める。
一度作った資料のため思ったより捗るが、それでも終わったのは10時を少し過ぎてしまった。

明日は土曜日のためお休み。
1週間長かったなぁ…早く寝たーい。そう思いエレベーターへ向かうと社長と鉢合わせしてしまった。

「まだいたのか？」

「すみません。またちょっとミスしてしまいまして…。」

「はぁ〜…。いい加減しっかりしろよ。」　
と辛辣なお言葉をいただき私は更に疲れてしまった。

「申し訳ございません。」

「もう遅いぞ、早く帰れ。」