独占欲が止まらない。クールな社長の裏の顔。
私たちは13階にあるエグゼクティブフロアからエレベーターに乗り込んだ。

ガタン…
突然照明が消えた

なに?!なんなの?

「キャー」とつい大声で叫んでしまった。

「うるさいぞ」

社長がいたんだった。

「申し訳ございません…でも真っ暗です、社長。落ちますよ。このまま13階から落ちます!」

「バカ。今10階くらいだろ。」
 
「そういうことでありません!社長、落ちます!私、高所大嫌いなんです。なんで13階で働いちゃったんだろう。おかあさーん!凛死んじゃうよ。」
泣きながら話していると口を塞がれる。

「うるさい」

今、柔らかいものが私の口を塞いできたんだけど…驚いて涙も止まってしまう。

「はぁ〜やっと静かになったな。こういうのは落ちないように設計されてるんだよ。落ちたニュースなんて見たことないだろ。ちょっとは落ち着け。」

社長はそういいスマホで照らした非常ボタンを押すが応答はない。

「もしもし俺だ。今、会社のエレベーターに閉じ込められてしまった。あいにく深山もいる。メンテナンスに連絡してくれ。」

電話の相手は第一秘書の中条さんのようだ。

「あぁ、そうだったな。忘れてたよ。よろしく頼む。」

エレベーターは定期点検のため10時から翌朝6時まで休止予定だったようだ。
そう言えば少し前から張り紙がされてたような…また私ったら忘れてたんだわ。
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