愛の距離がハカレナイ
「あのね、香澄が…。」

そんな風に始まった私たちの会話。

声だけの通話にした。

今の状態の私の顔は祐介の心配を煽ってしまいそうだったからだ。

でもいつも愚痴を聞いてもらっていた時と同じ雰囲気に私の気持ちは落ち着きを取り戻していった。

「それで…。」

一通り私の話が終わった後、祐介が何か言いかけた。

「何かあった?」

私が今度は祐介の話に耳を傾ける番が来たようだ。

「う~ん…、あのな…。」

「祐介?何?」

「その後、…その…。」

「はっきり話しなさいよ!」

私は祐介に対して、いつもの調子を取り戻していた。
< 111 / 155 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop