愛の距離がハカレナイ
「まずいかな‥。」

「何か言ったか?」

「いえ。」

私は南川課長に気が付かれない様に、そっと息を吐く。

ますます南川課長が私に対して、素を出すようになってきている。

その事にほっこりとしながらも、つい身構えてしまう私。

「…自然に、自然に。」

私は心の中で呪文のように繰り返す。

南川課長は良い人だ。

それは以前から感じていた事だ。

でも仕事の関係においては、私の中にはミスが許されない、言うなれば少々怖い人でもあった。

そう、それは会社の上司、そのものの姿だったのだ。

それが‥。

「今晩はこちらで予約させてもらった。きっと気に入る店だと思う。武田さんは好き嫌いはなかったよな。」

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