愛の距離がハカレナイ
その言葉にハッとした私の表情を香澄は見逃さなかった。

「どうしたのよ。」

「うん…。」

私はこないだ祐介が会社前に来た後の様子を香澄に話した。

「内田さんはベトナムに水島に会うために行くって事なの?」

「この状況からすると、それしか考えられないね…。」

私は無意識に溜息をつく。

「でもそんなの水島が相手にしないでしょ。」

「そう思いたいんだけど…。」

今の自分の状況と照らし合わせると、結構辛い。

もちろん祐介が内田さんの好意をまともに受け取るとは思っていない。

でも立場的にきつく断る事も出来ないような気がする。

南川課長の事といい、私の気持ちは最近スッキリしない。

「あのさ、阿里。」

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