愛の距離がハカレナイ
香澄が私の顔を覗き込む。

「水島と内田さんの事を心配するより、まずは目の前の南川課長の事をちゃんとする方が先じゃない?」

「えっ?」

「変な所で優し過ぎるのよ、阿里は。南川課長としっかり仕事上だけのパートナーになれる自信がないのなら…。」

私はじっと香澄の顔を見る。

「仕事は辞める事も考えなくてはいかないんじゃないのかな。」

「でも水島は、私から仕事を取り上げたくないって…。」

私は天を仰ぐ。

「もう少し真剣に考えてみる時期なのかもしれないわね。」

私は浮かない顔で、浅くうなずいた。











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