愛の距離がハカレナイ
「私は武田さんのように優秀ではありません。きちんと一から教えて下さい。」

最近は南川課長が言い負かされることが多くなってきたような気がする。

でもそんな意欲のある内田さんに、南川課長も鍛えがいがあるようだ。

「そうだ、これ預かって来たの。」

香澄が差し出したのは、会社の封筒。

「‥南川課長から。」

「ありがとう。」

私はそっと受け取る。

そして振り返った時だった。

「武田さん。」

そこに立っていたのは、南川課長だった。

南川課長は私をまっすぐ見ると、スッと右手を差し出した。

私はそれに反応して、南川課長の手を握る。

「君のおかげだ。君と知り合ったおかげで、いろいろな感情を知ることが出来た。」

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